砂糖は水と結びつきやすい
砂糖は水によくとけます。どれくらいとけるかというと……。
200gの熱湯に、なんと1kg の砂糖がとけてしまいます。
水100gあたりにとける砂糖の量
なぜ砂糖はこんなにたくさん水にとけるのでしょうか。
それは、砂糖と水の分子(ぶんし)が、おたがいに結びつきやすい構造をしているからです。
砂糖の水にとけやすい性質は、料理のさまざまな場面で利用されています。
砂糖の水にとけやすい性質を料理に利用
肉をやわらかくする
肉を煮たり焼いたりする前に砂糖をもみこんでおくと、肉がやわらかくなります。
砂糖の分子が肉に入りこみ、肉のたんぱく質をやわらかくするのを助けるためと考えられます。
生クリームやメレンゲの泡立ち(あわだち)をよくする
メレンゲとは卵白を泡立てたもので、お菓子や料理にふわっとした食感を出すために使います。
生クリームや卵白に砂糖を加えて泡立てると、水分と砂糖が結びついてはなれなくなり、しっかりと泡が立って安定します。
すし飯をしっとりさせる
すし飯は、炊いたご飯にお酢と砂糖、塩を混ぜて作ります。
炊いたご飯は時間がたつとかたくなっていきますが、すし飯は砂糖がご飯の中の水分と結びつくのでかたくならず、ねばり気のある状態を保つことができます。
卵焼きをフワフワにする
卵焼きを作るときに砂糖を加えると、卵の固まる温度が高くなり、ゆるやかに固まるため、しっかり加熱してもやわらかく仕上がります。
ジャムにとろみをつける
ジャムやマーマレードは、イチゴやオレンジなどの果物に砂糖を加えて煮たものです。
果物や野菜には「ペクチン」という成分があります。
砂糖が食材の持つ水分をかかえこむことでペクチンがゼリー化し、とろみがでてきます。
砂糖のさまざまな効果
食品をくさりにくくする
砂糖には、食品のカビや細菌(さいきん)が増えるのを防ぐ効果があります。
カビや細菌が増えるためには水分が必要ですが、砂糖は食品中の水分と結びつくため、食品が腐りにくくなります。
砂糖がしっかり入っている食品(あんこやジャムなど)が日持ちするのは、この効果によるものです。
臭みや雑味をやわらげる
砂糖の甘味は魚や肉などの臭みを消して食べやすくする効果があります。
また、酢の物や甘酢あんの酸味、コーヒーなどの強い苦味をやわらげる効果もあります。
おいしそうな焼き色をつける
パンやクッキー、ホットケーキなどについているおいしそうな焼き色は、小麦粉、牛乳、卵などにふくまれるたんぱく質と砂糖が反応してできます。
パンをふっくらと焼き上げる
パンを作るときには「酵母(こうぼ)」を使います。
酵母は「糖」を栄養として、二酸化炭素とアルコールを作ります。パン生地はこの二酸化炭素でふくらみます。
小麦粉にも糖は含まれていますが、砂糖を加えることで、さらにふくらみやすくなります。
砂糖と塩、料理ではどちらを先に入れる?
砂糖です。塩の分子は砂糖の分子よりも小さいので、先に塩を入れると塩がしみこんでしまい、砂糖を入れてもなかなか甘味がつきません。
砂糖の分子は大きいので、食材にゆっくり味がしみこみます。
煮物などでは、砂糖を最初に、次に塩、風味を生かしたいしょうゆやみそは最後に入れましょう。
砂糖は温度によって色・形・味が変わります
砂糖を加熱すると、とけて色や形、味がどんどん変わっていきます。
この性質を利用して、いろいろな食品が生まれています。
シロップ
フォンダン
キャラメル
タフィー
ドロップ
べっこうあめ
カラメルソース
カラメル
使用例
黄桃のシロップ漬け
使用例
バウムクーヘン
使用例
キャラメル
使用例
りんごあめ
使用例
ドロップ
使用例
べっこうあめ
使用例
プリン
使用例
調味料などの着色料として使用
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